[No.584-2]白いスカーフ
No.584-2
「少し前から、白いスカーフが素敵な・・・」
「ちょっと!」
案の定、絶妙なタイミングで話しに割り込んできた。
「私を目の前にして、よくそんなこと言えるわね!」
予想以上に怒っている。
これはこれで面倒だ。
「白いスカーフが素敵な、としか言ってないだろ?」
「最後まで聞かなくても分かるわよ」
確かに、何の話をしているのか容易に予想できる。
そうなるように仕向けたのだから・・・。
「気になる?」
「・・・と言うより、そうしたんでしょ?」
これまた、バレているようだ。
(そんなに顔に出るのかな・・・)
「そうなんだけど、実はさぁ・・・」
素敵な・・・に続く言葉は“女性”ではない。
「分かってるわよ」
「どうせ、野良猫でしょ?」
彼女は猫が嫌いだ・・・ただ、なんで分かったんだろう?
(No.584完)
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