[No.578-2]バチあたりな行動
No.578-2
「それは、ちょっとお気の毒ね」
「でしょ?だから、昨日、とっちめてやったの」
帰宅後、懐中電灯を持ち出し、ハトに向けた。
「そしたら、驚いて逃げちゃったんだよね」
「そりゃそうでしょ!」
この調子で行けば、何度か試せば退散してくれるだろう。
ここは危ない場所だってことを理解して。
「けどさぁ、いくらなんでもかわいそうじゃない?」
「別にケガさせてるわけじゃないし」
「・・・いつか、バチが当たるわよ」
そんな“昔話”の様な出来事なんて起こりはしない。
「風邪、長引いてるわね?」
そのセリフの後に“だから言ったじゃない!”と続きそうだった。
「バチが当たったと思ってるでしょ?」
「もちろんよ」
もちろん、信じてはいない。
けど、風邪を引いたタイミング的に強く否定することもできない。
「でも、ハトのバチのこといってるんじゃないよ」
「イライラして、八つ当たりしてたことに対するバチよ」
(No.578完)
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