« [No.571-1]予行演習 | トップページ | ホタル通信 No.225 »

[No.571-2]予行演習

No.571-2

「名前は分かんないけど・・・」

朝方、ある鳥の鳴き声で目が覚める。
さえずりという優雅なレベルではない。

「それがさぁ、半端なく甲高くて」

それこそ、耳をつんざく鳴き声だ。
一度、目が覚めたら二度と眠りに付けない。

「それは大変ね・・・」

もともとかなり神経質なことも災いしている。
少しの物音でも寝られないタイプだし、目も覚めてしまう。

「ここ数日、寝不足で・・・」

それに、イライラ度も頂点に達しようとしている。

「慣れるしかないんじゃない?」
「・・・私には無理ぃ!」

不思議なことに、慣れれば慣れるものだ。
あの鳥の鳴き声が気にならなくなっていた。

「最近、顔色もいいじゃない?」
「そ、そうかなぁ」
「ところで、彼とは上手くやってけそう?」

最近、彼と結婚を前提に同棲を始めた。
彼のいびきが気にならないのは、あの鳥のお陰だ。
S571
(No.571完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.571-1]予行演習 | トップページ | ホタル通信 No.225 »

(023)小説No.551~575」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.571-2]予行演習:

« [No.571-1]予行演習 | トップページ | ホタル通信 No.225 »