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[No.570-2]ひとりぼっちのブランコ

No.570-2

「でも、そのお蔭で仲良くなれたよね、私たち・・・」

彼女は転校生だった。

「そうだっけ?」

言葉とは裏腹に今でも鮮明に覚えている。

「人見知りが激しから、なかなかクラスに馴染めなくて」
「そんな時、ブランコに誘ってくれたよね?」

ひとりでブランコに乗る彼女を何度か見かけた。

「ひとりで乗るより、大勢の方が楽しいだろ?」

それに、小山のお蔭でブランコの人気も復活した。

「さすがに、小山は無くなったわね」
「そりゃ、そうだろ」

同窓会の帰り、ブランコに立ち寄ってみた。
懐かしさの中で、自然に足がブランコに・・・

(・・・向かっていない?)

そう言えば、彼女からブランコに誘われた。

「・・・どうして」
「今度は私から誘ってみたの」

その言葉が妙に艶めかしい。
・・・時の流れも悪くない。
S570_2
(No.570完)
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