[No.570-1]ひとりぼっちのブランコ
No.570-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「覚えてる?」
「もちろん、覚えてるよ」
かつて通った小学校にブランコがあった。
もちろん、それ自体は何も珍しくはない。
「子供は新しい遊びを考える天才よね」
現在の子供にも同じことが言える。
でも、当時の僕らは、それ以上だった。
「そりゃそうさ!良い意味で何もなかったからな」
スマホもゲーム機もない時代だった。
遊びは自分たちで考えた。
「今なら即、禁止されるね」
「・・・だろうな」
ある日、ブランコの横に僕らの背丈ほどの小さな山ができた。
できた理由は知らない。
・・・というより、知る必要もなかった。
「次の日には・・・だろ?」
小山から古タイヤを転がす遊びが生まれた。
古タイヤは前から遊び道具として置いてあった。
「それに当たらないように必死で避けたよね?」
「あぁ、小山に近い人は大変だったよな」
小山からブランコに向けてタイヤを転がす。
当たった人が、今度は転がす番になる。
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