« ホタル通信 No.224 | トップページ | [No.570-2]ひとりぼっちのブランコ »

[No.570-1]ひとりぼっちのブランコ

No.570-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「覚えてる?」
「もちろん、覚えてるよ」

かつて通った小学校にブランコがあった。
もちろん、それ自体は何も珍しくはない。

「子供は新しい遊びを考える天才よね」

現在の子供にも同じことが言える。
でも、当時の僕らは、それ以上だった。

「そりゃそうさ!良い意味で何もなかったからな」

スマホもゲーム機もない時代だった。
遊びは自分たちで考えた。

「今なら即、禁止されるね」
「・・・だろうな」

ある日、ブランコの横に僕らの背丈ほどの小さな山ができた。
できた理由は知らない。
・・・というより、知る必要もなかった。

「次の日には・・・だろ?」

小山から古タイヤを転がす遊びが生まれた。
古タイヤは前から遊び道具として置いてあった。

「それに当たらないように必死で避けたよね?」
「あぁ、小山に近い人は大変だったよな」

小山からブランコに向けてタイヤを転がす。
当たった人が、今度は転がす番になる。

(No.570-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.224 | トップページ | [No.570-2]ひとりぼっちのブランコ »

(023)小説No.551~575」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.570-1]ひとりぼっちのブランコ:

« ホタル通信 No.224 | トップページ | [No.570-2]ひとりぼっちのブランコ »