[No.568-2]物忘れ
No.568-2
「そのうち、思い出すパターンよ」
「それもそうね」
別の景色が、記憶を呼び戻してくれるかもしれない。
「それより、楽しみよね」
「・・・何が?」
友人の言葉になぜかピンと来ない。
「何がって・・・あなたが“行こう!”って言い出したんでしょ?」
「今・・・アウトレットに向かってるんでしょ?」
友人の言葉で我に返る。
「そ、そうだった!」
「まさか、それが思い出せなかったこと!?」
さすがにそれじゃない。
「大丈夫よ、ちゃんと向かってるから」
「・・・それならいいけど」
(そう・・・ちゃんと向かって・・・ない?)
「やだ・・・通過しちゃった」
「えっ!?」
本当なら、ついさっきの出口から降りなければならなかった。
「いつものクセで、つい・・・・」
「あの店に行くコースだよね?」
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