[No.568-1]物忘れ
No.568-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
-----------------------------
(・・・ん?)
何か胸騒ぎがする。
けど、決して悪いタイプのものじゃない。
「どうしたの?そわそわして」
ハンドルを握る私への注意喚起も含ませた言葉だろう。
「・・・う、うん・・・この景色を見てたら・・・」
高速道路からは見慣れた風景が広がる。
「何かを思い出してきて・・・」
「恋愛関係?」
「知ってるくせに!」
ここに越して来てから、3年が過ぎようとしていた。
「そうだったわね、ごめん、ごめん!」
いまだに恋人は居ない。
だから、ここには恋愛話は存在しない。
「じゃあ、なに?」
「だから・・・それが思い出せなくて」
いわゆる“ここまで出掛かっている”パターンだ。
気持ちが良いものではない。
「なんだっけ・・・な・・・」
「それはそうと、安全運転よろしくね」
確かに運転中だ。
余計なことは考えないほうが良い。
| 固定リンク | 0
「(023)小説No.551~575」カテゴリの記事
- [No.575-2]紅葉狩り(2014.11.26)
- [No.575-1]紅葉狩り(2014.11.25)
- [No.574-2]転勤を知る(2014.11.23)
- [No.574-1]転勤を知る(2014.11.22)
- [No.573-2]祝電(2014.11.18)
コメント