[No.567-1]雪の壁
No.567-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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(・・・ど、どうしよう・・・)
歩道は背丈以上の雪の壁で覆い尽くされている。
「ここ・・・どこだろう・・・」
そんなに遠出をしたつもりはない。
それに少しは通い慣れた道のはずだった。
「それ、夢の話?」
「ちがうわよ、現実の話」
季節柄、雪の話になった。
「つまり、迷子になったってことでしょ?」
「そうよ」
仕事の都合で、5年ほど北海道に住んだことがあった。
「初めて本格的な冬を迎えたとき・・・」
大雪で世界が一変した。
銀世界・・・というより、経験がない真っ白な世界。
「雪が降るとね、街の印象も随分と変わるんだよね」
多少、見慣れてきたはずの建物や道が、別物に見えた。
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