[No.561-2]痕跡
No.561-2
彼女との関係は決して健全なものとは言えなかった。
不倫と重なる部分もある。
僕との付き合いは相当慎重に対応してくれた彼女だった。
日頃からメールはもちろん、全ての痕跡を残さなかった。
「・・・少しでも残っていたら」
いつかばれる日が来る。
そして、そこから修羅場へと発展していたのかもしれない。
「そうなる前に・・・だろ?」
それにずっと気が付くことができなかった。
彼女は自ら身を引いたんだ。
これは僕が都合良く考えた結果じゃない。
その痕跡を見つけたからだ。
「でも・・・本気だったんだぞ」
最悪の自体も考えた。
一度はそれを受け入れようともした。
(心の中の痕跡は、消し忘れてるぞ・・・)
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