[No.557-2]うつむき加減
No.557-2
「そりゃ、俺だって“気がある”とは思ってないけど」
それでも、少しは意識している証拠だ。
少なくとも男性として見られているのだろう。
「それって、恋愛対象ってこと?」
「まぁ・・・そうなるか・・・な」
とは言うものの、別にどうこうしようという気持ちはない。
朝のひと時を楽しんでいる。
そんなことのひとつもなければ、会社に足が向かない。
「そうなるかな・・・って、なにさ?」
「じゃぁ、女子として意見聞かせろよ」
女子高生とまだそんなに歳は変わらない。
「そ、それは・・・」
「だろ・・・素直に認めれば?」
勘違いなら、それでもいい。
それに、勘違いだった時の“ショック”は自分の中で織り込み済だ。
「・・・じゃぁ、本当にいいのね?意見して」
さっきまでとはうってかわって、すごんできた。
「い、いや・・・そうだな・・・」
「どうするの!!」
迫力に負けて、丁重に意見を断った。
もう少し、夢心地でいたいがために。
(No.557完)
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