« [No.555-1]少し照れながら | トップページ | ホタル通信 No.217 »

[No.555-2]少し照れながら

No.555-2

「えっ?」

体調不良ではないことは明白だ。

「なかなか思うようなものが・・・」

そう言うと、目線を下の方に移した。

「なるほど・・・その花と格闘していたわけですね」

花と言っても、名のある花のようには見えない。
恐らく雑草だと思う。

「道路脇の一輪の花に魅せられてしまって」

確かに雑草だからこその、妙な力強さ感じる。

「でも、小さい花なのに、よく気付きましたよね?」
「だって、ほら、それが目的なので」

そう言うと手に持っていたそれを、軽く私に向けた。

「・・・ですよね」
「あっ!そうだ、初対面でなんですが・・・」

そうこうしている内に、今度は私がしゃがみ込むはめになった。

「こ、こんな感じでいいですか?」

少し照れながらも、その一輪の花にそっと手を触れた。
S555
(No.555完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.555-1]少し照れながら | トップページ | ホタル通信 No.217 »

(023)小説No.551~575」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.555-2]少し照れながら:

« [No.555-1]少し照れながら | トップページ | ホタル通信 No.217 »