[No.555-2]少し照れながら
No.555-2
「えっ?」
体調不良ではないことは明白だ。
「なかなか思うようなものが・・・」
そう言うと、目線を下の方に移した。
「なるほど・・・その花と格闘していたわけですね」
花と言っても、名のある花のようには見えない。
恐らく雑草だと思う。
「道路脇の一輪の花に魅せられてしまって」
確かに雑草だからこその、妙な力強さ感じる。
「でも、小さい花なのに、よく気付きましたよね?」
「だって、ほら、それが目的なので」
そう言うと手に持っていたそれを、軽く私に向けた。
「・・・ですよね」
「あっ!そうだ、初対面でなんですが・・・」
そうこうしている内に、今度は私がしゃがみ込むはめになった。
「こ、こんな感じでいいですか?」
少し照れながらも、その一輪の花にそっと手を触れた。
(No.555完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
| 固定リンク | 0
「(023)小説No.551~575」カテゴリの記事
- [No.575-2]紅葉狩り(2014.11.26)
- [No.575-1]紅葉狩り(2014.11.25)
- [No.574-2]転勤を知る(2014.11.23)
- [No.574-1]転勤を知る(2014.11.22)
- [No.573-2]祝電(2014.11.18)
コメント