[No.554-2]似合いの帽子とシャツ
No.554-2
「・・・で、ジャーン!」
ご当地はご当地でも、珍しいご当地リラックマを手に入れた。
「せやね」
(・・・ん?)
思ったほどのリアクションが返って来ない。
「いや、ほら、その・・・これだよ?」
「分かってるって」
「そ、そうなんだ・・・」
今回、手に入れたのは、広島カープバージョンだ。
赤い帽子と白いシャツがまぶしい。
「珍しくない?」
少なくとも駅の売店で阪神や巨人バージョンを見たことはない。
大阪も東京も、駅の売店はくまなく探したつもりだ。
「確かに見たことないバージョンやけど」
「普通やろ?」
「そ、そうかな・・・」
意気揚々と帰ってきただけに、肩透かしもいいとこだ。
「ま、まぁ、い、いんパクトは薄いかもしれないけ、け、ど・・・」
言葉もままにならない。
「せやかて、帽子にシャツって普通のファッションやろ」
この後、菜緒(なお)が野球オンチだということにようやく気付いた。
(No.554完)
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