[No.551-2]憧れの麦茶
No.551-2
「・・・恥ずかしい?」
周りのみんなは、麦茶だった。
「うん・・・自分だけ違うし、それに」
玄米茶に対して年寄り臭い印象を持っていた。
「変な言い方だけど、妙にお茶っぽいし・・・」
「少し、酸味があるような味だし」
一方、麦茶は玄米茶ほどお茶っぽくないし、甘さを感じる。
友達の麦茶を飲ませてもらって、その差に気付いた。
「でも、分かる気がする」
「子供の頃って、そういうこと気にするもんね」
「だから、ある意味、麦茶に憧れてて・・・当時」
それを母親に言うこともなかったから、ずっと玄米茶で育った。
「そうなると・・・この流れからすれば中身は麦茶?」
「残念でした!」
「今になって、その良さに気付いたの」
麦茶よりもサッパリしているし後味も良い。
「中身は玄米茶よ」
「・・・恥ずかしくない?」
「当たり前でしょ!」
今週末はマイボトルと共に、母が待つ霊園を訪れる予定だ。
(No.551完)
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