[No.547-2]あきらめた雨男
No.547-2
「これでも、雨男じゃないと言える?」
「すっかり、“雪男”の部類の発言ね・・・ったく」
どう考えても、雨男と言わざるを得ない状況だ。
事実を受け入れず、運命に立ち向かうべきか・・・。
「相変わらず、大げさなんだから!」
それとも、事実を受け入れ、雨男として生きるべきか・・・。
「ドラマか何かの見過ぎじゃないの!?」
「じゃあ、どう生きろと?」
つい、熱く応えてしまった。
「ご、ごめん・・・」
「気にしないで・・・状況的にはそう思わざるを得ないもんね」
ここにきて、今まで見たこともない反応だった。
「だ、だろ?」
「じゃぁ、もうあきらめる・・・」
「それもいいな」
あきらめて、成り行きに身を任せることにした。
「勘違いしてると思う・・・あきらめるのはあなたじゃない」
「えっ?じゃぁ、誰だよ」
・・・と言いながらも、答えは目の前の人しかいない。
「そんなあなたでも、私があきらめて結婚してあげるってこと!」
(No.547完)
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