[No.547-1]あきらめた雨男
No.547-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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(・・・あっ)
やはりと言うか・・・案の定、雨が降り出してきた。
「・・・また雨男の話?」
「もう間違いないだろ?」
昨日、外出して数分も経たないうちに、雨が降ってきた。
「何度も言うけど、ただの偶然なの!」
何度も聞いたそのセリフも、今は到底納得できない。
「特に最近は・・・ずっとそうなんだよな」
確かにいつも怪しい空模様ではある。
けど、自分が外出するまでは雨が降った形跡はない。
それは乾いている道路を見れば分かる。
「なのに・・・だよ、ポツリ、ポツリ・・・」
僕を待っていたかのように、雨粒が落ちてくる。
「それを世間では偶然と言うんじゃないの?」
「偶然にもほどがあるだろ?」
それに、その偶然には続きがある。
「続き?」
「あぁ・・・今まで話してなかったけど」
僕が目的地に着いたら、狙ったように雨が止む。
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