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2014年7月

ホタル通信 No.214

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.243 from H.F
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:男性

かなり嘘っぽい、創り物感満載の小説ですが、話の主軸で
ある、form H.Fについては事実なんですよ。

少し実話度について触れると、元カノとの会話は全て創作
ですが、当時の彼女から、form H.Fと縫い付けられた巾着
袋をもらったのは事実です。
でも、彼女のイニシャルはH.Fではなく、H.Fは私(小説上の
男性)のイニシャルです。

冒頭、元カノとの会話は全て創作です・・・と、書いた通り、
彼女がどんな意図をもって“form H.F”としたのかは実際は
把握していません。もしかしたら本当に、toとformを間違え
ただけかもしれません。
それもあって、当時、その意味を聞くことができませんでし
たが、聞いていれば・・・小説のような展開があったのかも
しれません。

今でもこのエピソードは自分の中で消化されずに、モヤモ
ヤしています。聞けば良かったと多少、後悔もしています。
当時は少し硬派を気取っていた面もあって、素直にそれを
受け入れることができませんでした。
さすがに巾着袋は、もう持っていませんが、黒地に赤いフェ
ルトで文字が貼り付けられていたのは、小説にも書いた通
りです。

当時、巾着袋が多少、流行だったとは言え、使うには正直
恥ずかしかった記憶があります。
彼女とは付き合う期間が短かったこともあって、彼女の前
で、その巾着袋をお披露目する機会は、幸か不幸かあり
ませんでした。

もしかしたら、小説のように今はとある人と結婚して、本当
にイニシャルがH.Fになっているかもしれませんね。T214

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[No.549-2]犬の遠吠え

No.549-2

「でも、何でも答えがあるって、つまらなくないか?」
「それはあるけど・・・」

犬の遠吠えもそうだ。
想像通りとは言え、なんだか急につまらなくなった。

「だろ?アレコレ考えている時の方が楽しいこともある」
「手軽だけど、得られるものは少ない・・・か」

プレゼントを貰うと嬉しい。
けど、自分で苦労して手に入れる方が何倍も嬉しい。

「・・・まぁ、そうも言えるかな」
「何でも検索!も時には考えものね」

これからは多少、考えて行動することにしよう。

「突然だけど、私も遠吠えしていい?」
「ものまねでもするつもり?」

それには答えず、朝、聞いた遠吠えを真似てみた。

「い、いがいに上手いじゃないか!」

遠吠えには様々な意味があるらしい。

「そう?それよりも・・・」
「遠吠えする理由調べてみて」

そのセリフと共に彼の腕へ巻き付いた。
S549
(No.549完)
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[No.549-1]犬の遠吠え

No.549-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
つくづく便利な世の中になったと思う。

「・・・そこまで言うのは大袈裟じゃない?」
「でもさぁ、すぐに手元で調べられるのよ?」

ネット社会になってから検索すれば、何らかの答えがそこにある。
スマホが登場したことで、それが加速したように思える。

「朝から評論家みたいなこと言うよな」
「たかが、犬の遠吠えだろ?」

会社前の横断歩道は、小学校への通り道でもある。
そこに、交通安全のおじさんが立っている。

「そうだけど、一昔前ならせめて本屋や図書館でしょ?」

おじさんの傍らには、一匹の犬がいる。
もちろん、おじさんと目的は同じだ。

「それが今なら疑問に思ったら、即、検索!」

ただ、犬の遠吠えだけに限ったことではない。
気になることがあれば、すぐ調べている。

「それで、結果は?」
「あ、うん・・・」

何かを裏切るわけでもなく、想像通りの答えがそこにあった。

(No.549-2へ続く)

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[No.548-2]財布を忘れた !

No.548-2

「思わず、サザエさんかっ!と突っ込みそうになったよ」

一言発した後、そそくさと逃げるように駅を後にした。

「・・・なんで助けてあげなかったのよ?」

確かにその時は一瞬、そうも考えた。
でも、声を掛ける間もなく、彼女は去って行った。

「大事な時に気が利かないんだから!」

もっともだと思いながらも、もし声を掛けていたらいたで・・・。

「それでその一連の動きが何とも可愛く見えたんだ」
「決して不幸を“笑った”わけじゃないからね」

今でもその光景を思い出すと、つい口元が緩んでしまう。

「彼女、大丈夫だったのかな?」

大事な用事に遅れたかもしれない。

「・・・で、あなたはなんで遅刻したの?」
「そ、それは・・・」

自分が遅れたことを棚に上げて、話を進めていた。

「ごめん・・・彼女を見てたら、指輪を忘れたことに気付いたんだ」
S548
(No.548完)
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[No.548-1]財布を忘れた !

No.548-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「さっきから、なにニヤニヤしてるのよ?」
「そ、そうかな・・・」

(まずい・・・)

自分としては微笑んでいるつもりだった。
でも、他人にはそう見えるようだ。

「また、とびきりの美人でも見掛けたわけ?」
「それは以前の話だろ・・・」

まだ、根に持っているところがこわい。

「じゃあ、なによ?」
「ここに来る前にな・・・」

最寄駅の券売機で切符を買っている時だった。
ひとりの女性が、となりの券売機に並んだ。

「・・・で、その人が美人?・・・それとも可愛かった?」
「じゃなくて!」

状況的に、財布を取り出そうとしていたと思う。
カバンの中をゴソゴソし始めた。

「そしたら、一言こんなことを言ったんだ」
「“財布忘れた!”」

その言い方がなんとも可愛く聞こえた。

(No.548-2へ続く)

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ホタル通信 No.213

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.259 彼女の人生
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:男性

全体的に嘘っぽい作りなのですが、かなり事実に沿った
話なんですよ。

言わば“ドロッ”とした時期の、それもピークの時の話です。
この小説は過去のことを振り返っている話であり、過去の
ことが実話度80%で、小説で言う“現在”の会話は全て創
作です。

最近のホタル通信はNo.200~No.300の小説を集中的に
紹介しているため、比較的、実話度が高い話に当ってい
ます。
ブログを始めたころは今ほど、実話や実話をヒントにして
小説を創ろうとは考えていませんでした。ですから、初期
の作品だから実話度が高いといったことはありません。
むしろ自分のスタイルがほぼ確立し、それなりに書けるよ
うになったNo.200以降の方が実話度が高くなっています。

話を戻せば、人生においてこんなに辛く苦しい時期はあり
ませんでした。
結果的に何もしてあげられなかった自分、そしてそこから
逃げ出した自分・・・もっと冷静に考えれば、最初から逃げ
出す準備をしていたのかもしれません。
でも、当時は行き先を照らす灯りになりたいと、本気でそう
思っていました。

後半の冒頭に“自分でも分かるほど態度を一変させた”と
書いていますが、それは「No.187 大きな悩みごと」の舞台
から始まりました。
この小説を読んでも、微塵もそんなことは感じないと思いま
すが・・・。
T213

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[No.547-2]あきらめた雨男

No.547-2

「これでも、雨男じゃないと言える?」
「すっかり、“雪男”の部類の発言ね・・・ったく」

どう考えても、雨男と言わざるを得ない状況だ。
事実を受け入れず、運命に立ち向かうべきか・・・。

「相変わらず、大げさなんだから!」

それとも、事実を受け入れ、雨男として生きるべきか・・・。

「ドラマか何かの見過ぎじゃないの!?」
「じゃあ、どう生きろと?」

つい、熱く応えてしまった。

「ご、ごめん・・・」
「気にしないで・・・状況的にはそう思わざるを得ないもんね」

ここにきて、今まで見たこともない反応だった。

「だ、だろ?」
「じゃぁ、もうあきらめる・・・」
「それもいいな」

あきらめて、成り行きに身を任せることにした。

「勘違いしてると思う・・・あきらめるのはあなたじゃない」
「えっ?じゃぁ、誰だよ」

・・・と言いながらも、答えは目の前の人しかいない。

「そんなあなたでも、私があきらめて結婚してあげるってこと!」S547
(No.547完)
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[No.547-1]あきらめた雨男

No.547-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
(・・・あっ)

やはりと言うか・・・案の定、雨が降り出してきた。

「・・・また雨男の話?」
「もう間違いないだろ?」

昨日、外出して数分も経たないうちに、雨が降ってきた。

「何度も言うけど、ただの偶然なの!」

何度も聞いたそのセリフも、今は到底納得できない。

「特に最近は・・・ずっとそうなんだよな」

確かにいつも怪しい空模様ではある。
けど、自分が外出するまでは雨が降った形跡はない。
それは乾いている道路を見れば分かる。

「なのに・・・だよ、ポツリ、ポツリ・・・」

僕を待っていたかのように、雨粒が落ちてくる。

「それを世間では偶然と言うんじゃないの?」
「偶然にもほどがあるだろ?」

それに、その偶然には続きがある。

「続き?」
「あぁ・・・今まで話してなかったけど」

僕が目的地に着いたら、狙ったように雨が止む。

(No.547-2へ続く)

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