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[No.542-2]カタログギフト

No.542-2

「届いたよ、ありがとう」

かなり時間を掛けて調べた。
けど、結局“これぞ!”と言うものに巡り合えなかった。

「もう、めでたくもないかもしれないけど・・・」
「ううん、祝ってくれる人が居ればうれしいものよ」

単なる知り合い程度の関係しかない僕たちだ。
でも、そこには良い意味で微妙な距離感がある。

「いつももらってばかりだろ?この間だって・・・」

落ち込む自分に、“ほっこり”できる本を贈ってくれた。

「色々、悩んだんだけど・・・」

彼女が望むようなものを、なかなか見つけられなかった。
大阪と札幌・・・という距離も加わって。

「結局、それになってしまって・・・ごめん」

喜ばれる物を贈りたい。
けど、喜ばれなくても自分で決めることにも意味がある。
プレゼントとはそういうものだと思っている。

「色々、悩んだ・・・って言ってたじゃない」
「う、うん・・・」
「私のために、悩んでくれたその時間が、プレゼントみたいなものよ」
S542
(No.542完)
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