[No.541-1]見てない
No.541-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「・・・見たでしょ?」
「み、見てないよ!」
そんな趣味もないし、見る理由もない。
「だって、スマホ動いてるじゃん」
「だから、テーブルにぶつかっちゃって!」
その衝撃でテーブルさえも動いてしまった。
「・・・本当に?」
「本当だって!」
「・・・なら、許してあげる」
許すもなにも、やましいことは一切していない。
けど、ここは素直に受け入れた方がいいだろう。
「あ、ありがとう・・・」
「・・・あ」
彼女の追及にもにたやりとりで、あることを思い出した。
「小学生の時な・・・」
宿題に計算ドリルが出た。
ただ、最後のページは解答になっていた。
「それじゃ、意味ないじゃん?」
「理由はわからないけどそうなってたんだ」
切り取ることは可能だったはずだ。
あえてそうしなかったのは、担任の意向もあったと思う。
「これが悲劇の始まりで・・・」
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