ホタル通信 No.209
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.272 夏の微笑み
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性
前回のホタル通信に引き続き、この話も非常に懐かしく思えます。それに、非常にほろ苦い思い出でもあります。
前半はほぼ事実です。ただし、作者が彼なのか彼女なのか、想像しながら読んでみてください。
前半の最後に書いてあるように、ふたりで遊園地に向かっていました。その遊園地は、今はもう閉園になってしまった大阪のエキスポランドなんですよ。
親に一度連れていってもらった微かな記憶だけを頼りにして、遊園地へ向かいました。もちろんケータイもインターネットもない時代の話です。
そんなものですから、最寄駅から“近い”と思っていたその場所は思った以上に遠く、結局1時間近く歩いていたような・・・そんな記憶があります。
疲れたとか、彼に対して腹が立ったとかではなく、また、彼に失望したということもありません。
小説にも書きましたが、男の意地とでも言いましょうか・・・懸命になればなるほど見ていられなくなりました。
話は前後しますが、登場人物は3人いて、前半は彼女と彼、後半は彼女とその友人(女性)という、やや複雑な構成です。
また、前半は回想シーンの位置づけです。
後半は全て創作であり、「当時、もしこんなことがあったら、違う結果になっていたかもしれない」という期待を込めています。
手前味噌ですが、そこそこお気に入りのラストです。
最後になりますが、タイトルである“夏の微笑み”は、ある曲のタイトルでもあります。
あの頃、よく聞いていました。まるで私たちのことを言っているようで・・・。
| 固定リンク | 0
「(102)通信No.201~300」カテゴリの記事
- ホタル通信 No.300(2016.10.06)
- ホタル通信 No.299(2016.09.28)
- ホタル通信 No.298(2016.09.20)
- ホタル通信 No.297(2016.09.13)
- ホタル通信 No.296(2016.09.06)
コメント