[No.536-1]すずめの涙
No.536-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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(・・・ん?)
自転車のカゴに何かとまっている。
「・・・すずめ?」
普通なら有り得ない距離で目が合っている。
・・・にもかかわらず、逃げる気配がない。
「それで、どうなったん?」
珍しい体験だけに早速、次の日話題にした。
「さすがに触ろうとしたら飛び立ったんだけど・・・」
飛び立ったというより、駐輪場の隅に逃げ込んだかたちになった。
「逃げ込んだ?」
「うん、体が小さかったから子供だったと思う」
上手く飛べなかったのかもしれない。
ケガをしていたとも考えられる。
「それに、そもそも夜だったしな」
さすがに夜空を飛んで逃げるわけにはいかないだろう。
「それから、どないなったん?」
「隅っこでジッとしてたから、そのままにして帰ったよ」
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