[No.534-2]釣り日和
No.534-2
「・・・で、せいじゅうろうは?」
防波堤に腰掛けるやいなや質問してみた。
「せいじゅうろうは、もう釣りしてはるよ」
「え・・・えっ!」
今までの経験からすれば・・・。
程度の差はあれど菜緒(なお)の言葉にうそはない。
「あっちの方に、行ったみたいやで」
「どこだよ?」
「小さいから、見えへんだけ」
確かに見渡せる範囲には居ない。
テトラポットの陰にでも居る設定だろうか。
「・・・見に行ってもいいの?」
「それはあかん!“釣れたら見せにくる”って言ってはったから」
結局、“釣れませんでした”で終わるオチなんだろうか?
その時だった。
「せ、せいじゅうろうが、釣れたって!」
「ど、どこだよ!?」
菜緒の足元からわざとらしく、あいつが登場した。
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