[No.532-1]独りの時間
No.532-1
登場人物
女性=牽引役
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用事を済ませた帰り、たまたまイベントに出くわした。
それが何のイベントであるかは遠くからでも分かった。
デカデカと看板があがっているからだ。
「・・・本場のビールってわけね?」
特にビールが好きなわけじゃない。
でも、音楽と天気の“陽気”に誘われて、つい足が向いてしまった。
(軽く一杯くらいなら・・・)
とりあえず、黒ビールとウィンナーの盛り合わせを注文した。
「ここでいいか・・・」
あいにくの人だかりでテーブルに空きがない。
仕方なく、芝生の上に腰掛けることにした。
周りにもそんな人たちで溢れている。
(・・・ただ)
思った以上に居心地が悪い。
それは芝生に腰掛けているからじゃない。
その答えは皿の中にもある。
「フォーク・・・二本あるし・・・」
少なくともひとりで来たとは思われていない。
それが嬉しくもあり、悲しくもあった。
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