[No.529-1]懐かしい感覚
No.529-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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(・・・どうしよう)
今は完全にタイミングを失ってしまった状態だ。
「さっきから、何、モゴモゴしてるのよ?」
「モゴモゴ?」
聞きなれない擬音を友人が発した。
「まさしくモゴモゴでしょ?」
「落ち着かない様子だし、それに・・・」
声こそ出ていないが、独り言を言っているように見えるらしい。
「そ、そうなの!?」
「悩み事があるなら相談に乗るよ」
とりあえず、今、自分が置かれている状況を話した。
「今の時代、逆に難しいんじゃない?」
自分でもそう思っている。
昔と違って、ケータイもパソコンもある。
「それこそ、今すぐ連絡できるでしょ?それも直接相手に・・・」
「だから・・・タイミング・・・失っちゃって」
今日しよう、明日しよう・・・それがズルズル先延ばしになった。
「原因はケンカじゃないわけでしょ?」
「うん、すれ違いが続いて・・・」
最近、お互いの都合がつかず、会えずじまいだった。
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