[No.528-1]やっぱり雨男
No.528-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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(あっ・・・)
朝、降っていた雨も11時ごろには止んでいた。
出掛ける前には濡れた道路も乾き始めていたくらいだった。
「・・・なんだよ」
それなのに・・・家を出た途端、雨がパラパラと降ってきた。
目の前を足早に親子連れが行き過ぎる。
僕の方をチラット見たのは、気のせいだと思いたい。
「相変わらず、雨男?」
「・・・気にしてるんだぞ、これでも」
「冗談よ!いるわけないでしょ?」
・・・とは言うものの、一昨日もそうだった。
会社を出た途端、止んでいたはずの雨が降り出してきた。
「だからそんなの偶然よ」
「以前も言ったでしょ?」
「そりゃ、そうだけど・・・」
確かに自分と同じタイミングで家を出たりする人は大勢いる。
その人たちは自分が雨男、雨女と思っているのかもしれない。
「昨日なんて、親子連れにチラ見されたし」
「それって被害妄想過ぎない?」
「・・・とりあえず、雨が止んでよかったじゃん!」
降り出した雨も、彼女と会うころには再び止んだ。
「ちなみに、晴れ女じゃないからね」
やや天気は悪いとは言え、外出するにはまずまずの天候だった。
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