[No.527-1]目の錯覚
No.527-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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かなり前から気付いてはいた。
でも、その理由までは調べていなかった。
「・・・で、あらためて調べてみたんだ」
自転車でよく通る道端に、サビたドラム缶が数本置いてある。
「置いてあるというより、放置されていると思う」
ただ、不法投棄のような悪質なものではない。
「それで、その中身でも調べてみたの?」
「ううん、違うんだ」
自転車でドラム缶の前を通り過ぎる時、妙なものが目に入る。
「やだ・・・ちょっとその手の話題はまだ早いんじゃ・・・」
「大丈夫だよ、そっち系じゃない」
通り過ぎたころに、ドラム缶から煙が出ていることに気付く。
「えっ!それって大事じゃない!」
普通に聞けば、当然の反応だろう。
「言っただろ?かなり前から気付いていたって」
つまり、煙であって煙じゃない。
「・・・煙じゃない?」
謎掛けをしているような展開になった。
(No.527-2へ続く)
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