ホタル通信 No.204
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.201 特等席
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性
登場人物の設定と会話の内容を抜きにすると、小説と同じようなシチュエーションがあったのは事実です。
車中から花火が見える・・・あれ?今年も車の中だぞ・・・そんな事実から小説は生まれました。それに、ひとりではなく、同乗者がいることも毎年同じでした。
そんなシチュエーションを面白おかしくするためにあえて車中の人物の組み合わせを変更しました。
小説上は「女性同士」ですが、実際は「男性同士」か「男女」の組み合わせのどちらかです。
組み合わせを考えてから、小説の内容を考えたのではなく、先に内容が決まったので、それに相応しい組み合わせにしてみました。
今でもよく覚えています。
車中から見える花火、そして人、人、人・・・。人も車も大渋滞の中にあって、ちょっと自分たちがみじめに感じる瞬間でもありました。
ガラスを一枚隔てた向こうには、それこそ煌びやかで、祭りの匂いがプンプンしている世界が広がっているのに・・・と。
一方、私たちと言えば黒いスーツに身を包み、タバコの匂いが立ち込める車の中で、花火と行き交う人と見つめている。この小説は、言わば軽めの“光と影”なんですよ。
最後になりますが、小説のタイトルからすれば、そう言いながらも「車中は特等席だ」風で終わっても良かったかもしれませんが、もうひとひねりしてみました。
ガラスを隔てた“こちら側”もそれなりに、楽しんでますよ・・・とそんなメッセージを込めたつもりです。
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