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2014年4月

ホタル通信 No.205

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.216 見返り美人
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:女性

小説のタイトルであり、主軸でもある“見返り美人”ですが、実話度に反して事実ではありません。

登場人物の設定や会話も事実とは異なりますが、書いてあることそのものは事実です。
特に後半の「見返りを求め始めた」こと、さらには「電話やメールの内容が変わって行った」ことは生々しいくらい事実なんですよ。
そのような意味で実話度を決めさせていただきました。今でも当時のことを覚えています。「恋愛の力ってすごい」と思いつつも、一方では「恋愛のこわさ」を思い知りました。
恋は盲目・・・なんていうこともありますが、良くも悪くもそれを実体験しました。

自分の想いだけが強くなり、与えた分・・・もしかしたらそれ以上の見返りを求めていたのかもしれません。
小説では“想いが強い”から・・・ということになっていますがそれよりも不安の方が大きかったことが現実でした。
不安感の理由は分かっていました。“彼”とは言いましたがふたりの関係は複雑でした。

最後になりますが、この話の結末と言いますか、現実はご想像の通りです。上手く行くはずもありませんよね。
丁度、今頃その時がやってきました。もう、5年も前の出来事になります。
T205
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[No.531-2]宇宙の謎

No.531-2

「どやった?」
「・・・そうだな」

思っていたよりも悪くはなかった。
むしろ期待以上だった。

「星があんなにあるなんて思ってもみなかったよ」

最初は作りものだと思っていた。
単なるショーとして。

「うちもな、最初は信じられへんかってん」
「だろ?」

事実、夜空を見上げてもあのようには見えない。

「空気が澄んでいる場所なら見えるんだろ?」
「うん!」

日本でそんな場所はあるんだろうか・・・。

「でもうちはプラネタリウムで十分や」

てっきり本物を見たがるものと思った。

「そ、そうなんだ・・・」

もしかしたら・・・そんな淡い期待を持っていた。

「どないしたん?」
「ううん、なんでもないよ」

一緒に見れれば場所なんて関係ないか・・・。
S531_
(No.531完)
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[No.531-1]宇宙の謎

No.531-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
本棚に科学雑誌が増えてきた。
特に宇宙に関する雑誌が・・・。

「星?あまり興味はないけど・・・」

本当はあまりどころか全く興味がない。
彼女の手前・・・そう答えざるを得なかった。

「ほんまに?」

どっちの意味だろうか?
少しでも興味があることに対する期待・・・
それともさほど興味がないことに対する落胆だろうか?

「まぁ・・・そうだな」

知ったかぶりをするわけにはいかない。
興味がない分野だけにすぐにボロが出るからだ。

「今度、一緒にプラネタリウム見にいかへん?」
「プラネタリウム!?」

もちろん名前も、それが何かも知っている。

「どこでやってるの?テーマパーク?」

ただ、ごくまれに雑誌とかで見かける程度の知識しかない。

「科学館でやってるで」
「科学館?」

宇宙はごく身近なところにあった。

(No.531-2へ続く)

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[No.530-2]さくらさく

No.530-2

いつのころからか、関係がギクシャクし始めた。
更に追い討ちを掛けるかのように、彼の転勤が決まった。

「向こうに行っても元気でね」

私たちにそれを乗り越える力はもう残されていなかった。

「桜を見るたびに、思い出すかもな」
「かもな、じゃなくて思い出すのぉ!」
「わ、わかったよ」

いつにもなく、会話が弾む。
もう、これっきりと分かっているからだろうか。

「まぁ、来年は違う人と桜を見るから心配しないで」
「お、俺だって、そうだよ!」

最後の最後で、子供のような意地の張り合いだった。

「じゃあ、これで・・・」
「・・・うん」

花びらが舞い落ちきた。
まるで私たちの別れを演出するかのように。

残念ながら、今年はひとりで桜をみることになった。
それ以外は、あの時と何も変わらず、桜は咲いている。S530
(No.530完)
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[No.530-1]さくらさく

No.530-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
春は出会いと別れの季節だ。
その重みさえ考えなければ、小学生だって分かっている。

「でも、別れの歌の方が多くない?」
「ほら・・・卒業に代表されるように」

入学とか入社とか、そんな歌は聞いたことがない。

「入学ならまだしも、入社なんか歌にならないだろ?」
「だから、あえて言ったの」

それに、春だから出会ったとか・・・そんな歌もない。

「春なのに、お別れ・・・なんて歌はあったよな」

だからだろうか?
春は目に入る風景とは逆に、物悲しく感じる。

「いつの間にか、春ってそんなイメージになってるよね」

大袈裟だが、世間が作り出した演出かもしれない。
何かを狙って・・・。

「おいおい、政府の陰謀みたいな言い方だな」
「今の私たちには陰謀のほうが都合がいいんじゃない?」

陰謀ではなくても、私たちは別々の道を進もうとしている。
この桜並木を過ぎれば、彼と二度と会えない。

(No.530-2へ続く)

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ホタル通信 No.204

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.201 特等席
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性

登場人物の設定と会話の内容を抜きにすると、小説と同じようなシチュエーションがあったのは事実です。

車中から花火が見える・・・あれ?今年も車の中だぞ・・・そんな事実から小説は生まれました。それに、ひとりではなく、同乗者がいることも毎年同じでした。
そんなシチュエーションを面白おかしくするためにあえて車中の人物の組み合わせを変更しました。
小説上は「女性同士」ですが、実際は「男性同士」か「男女」の組み合わせのどちらかです。
組み合わせを考えてから、小説の内容を考えたのではなく、先に内容が決まったので、それに相応しい組み合わせにしてみました。

今でもよく覚えています。
車中から見える花火、そして人、人、人・・・。人も車も大渋滞の中にあって、ちょっと自分たちがみじめに感じる瞬間でもありました。
ガラスを一枚隔てた向こうには、それこそ煌びやかで、祭りの匂いがプンプンしている世界が広がっているのに・・・と。
一方、私たちと言えば黒いスーツに身を包み、タバコの匂いが立ち込める車の中で、花火と行き交う人と見つめている。この小説は、言わば軽めの“光と影”なんですよ。

最後になりますが、小説のタイトルからすれば、そう言いながらも「車中は特等席だ」風で終わっても良かったかもしれませんが、もうひとひねりしてみました。
ガラスを隔てた“こちら側”もそれなりに、楽しんでますよ・・・とそんなメッセージを込めたつもりです。
T204
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[No.529-2]懐かしい感覚

No.529-2

「ただそれだけの理由?」
「理由というかきっかけというか・・・」

少し関係が冷めてきたこともあって、それがトリガーになった。
彼も私も積極性がなくなっている。

「だから、お互い次の約束をしない」

こんな時こそ、どちらかで拮抗を破るしかない。

「分かってるなら、どうして・・・」
「・・・そうね」

だから恋愛・・・だとも言える。

「ちょっと話は変わるけど、昔を思い出してさ」
「むかし?」

高校生の時、何度か今のような状態を経験した。

「・・・で、最終的には自然消滅」

さっき話した通り、連絡する手段がごく限られていた時代だ。

「今、まさしくそれに向かってる感じ」
「なに、懐かしんでるのさ・・・まったく・・・」
「こういう時こそ、自分からいかなきゃ!」

友人がげきを飛ばしてきた。

(昔も居たっけ、こんな友人が)

これもまた懐かしい。
S529
 (No.529完)
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[No.529-1]懐かしい感覚

No.529-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
(・・・どうしよう)

今は完全にタイミングを失ってしまった状態だ。

「さっきから、何、モゴモゴしてるのよ?」
「モゴモゴ?」

聞きなれない擬音を友人が発した。

「まさしくモゴモゴでしょ?」
「落ち着かない様子だし、それに・・・」

声こそ出ていないが、独り言を言っているように見えるらしい。

「そ、そうなの!?」
「悩み事があるなら相談に乗るよ」

とりあえず、今、自分が置かれている状況を話した。

「今の時代、逆に難しいんじゃない?」

自分でもそう思っている。
昔と違って、ケータイもパソコンもある。

「それこそ、今すぐ連絡できるでしょ?それも直接相手に・・・」
「だから・・・タイミング・・・失っちゃって」

今日しよう、明日しよう・・・それがズルズル先延ばしになった。

「原因はケンカじゃないわけでしょ?」
「うん、すれ違いが続いて・・・」

最近、お互いの都合がつかず、会えずじまいだった。

(No.529-2へ続く)

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[No.528-2]やっぱり雨男

No.528-2

「仮に雨男だとしても誰も知らないわよ」

確かに彼女以外にこうして話したことはない。
万一、話そうものなら・・・。

「花見なんかは絶対、誘われなくなっちゃうよ」

実際、先週の花見は雨で中止になった。
もちろん、僕も参加だった。
・・・というより、僕が幹事だった。

「今まで中止になったこと、一度もなくってさ・・・」

まことしやかに、雨男の話が出始めた。
もちろん、“僕が”ということではないが。

「とにかく、気にしない気にしない!」
「・・・だよな!」

今日だって、今は雨は止んでいる。
本当に雨男だったとしても、その効力は大したことはない。

「そうそう!」
「なんだか、心も晴れてきたよ」
「うまいこと言うわね!」

それに呼応するかのように、天気も良くなってきている。

「心だけじゃなく、本当に晴れてきたよな」
「うん!一応、折りたたみの傘は持ってきてたけどね」

そう言うと、バックの中から小さな傘を取りだした。

「だって心配でしょ?雨男と一緒じゃ・・・あっ!」

S528
(No.528完)
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[No.528-1]やっぱり雨男

No.528-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
(あっ・・・)

朝、降っていた雨も11時ごろには止んでいた。
出掛ける前には濡れた道路も乾き始めていたくらいだった。

「・・・なんだよ」

それなのに・・・家を出た途端、雨がパラパラと降ってきた。
目の前を足早に親子連れが行き過ぎる。
僕の方をチラット見たのは、気のせいだと思いたい。

「相変わらず、雨男?」
「・・・気にしてるんだぞ、これでも」
「冗談よ!いるわけないでしょ?」

・・・とは言うものの、一昨日もそうだった。
会社を出た途端、止んでいたはずの雨が降り出してきた。

「だからそんなの偶然よ」
「以前も言ったでしょ?」
「そりゃ、そうだけど・・・」

確かに自分と同じタイミングで家を出たりする人は大勢いる。
その人たちは自分が雨男、雨女と思っているのかもしれない。

「昨日なんて、親子連れにチラ見されたし」
「それって被害妄想過ぎない?」
「・・・とりあえず、雨が止んでよかったじゃん!」

降り出した雨も、彼女と会うころには再び止んだ。

「ちなみに、晴れ女じゃないからね」

やや天気は悪いとは言え、外出するにはまずまずの天候だった。

(No.528-2へ続く)

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ホタル通信 No.203

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.261 最高の誉め言葉
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:女性

実際にこのような会話が“一度に”交わされたわけではありません。

一度に・・・という意味は、ある瞬間にこの会話全てが交わされたわけではなく、ある期間、例えば半年、1年・・・といった中でそれぞれ交わされた会話をあたかも、ある瞬間に交わされた会話のように仕上げています。
従って、部分部分に実話がちりばめられたようになっており、私にとっての最高の誉め言葉である、“ライバル”についても実際に彼の口から発せられたものです。

あえて書けば、作者は“私”である女性か“彼”である男性のどちらかです。
仮に作者が彼であれば、私の気持ちを代弁していることになりますから、本当の意味で真実が語られていないのかもしれませんね。
いまさらですが、ホタル通信はこんな感じなんですよ。あくまでも、語り手は、小説の牽引役の人であり、それがイコール作者ではありません。

小説上の時期は、今から数えれば約7年前の出来事になります。
小説に書いてあるような、少し色気のある気持ちになったのも嘘ではありません。
T203
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[No.527-2]目の錯覚

No.527-2

「ドラム缶はフェンスの前に置いてあって」

駐車場と道路を隔てるように青色のフェンスが張ってある。

「そのフェンスが一部、白く剥げてるんだ」
「もしかして、それが煙の正体?」

立ち止まってマジマジと見てもそうは感じない。
でも、自転車で通り過ぎると、煙が上がっているように見えてしまう。

「だから、いつも通り過ぎた瞬間に“ん?”みたいな・・・」

それを繰り返しているうちに、少なくとも煙ではないことは理解した。

「で、何なんだろうと思って調べてみたら・・・」
「つまり、目の錯覚だった、ってことね」
「まぁ、そういうこと」

ただ、話終えた時、この話にはオチがないことに気付いた。

「・・・これだけなんだけど」
「見てみたい!それを」
「見てみたいって、現場を!?」

一応、聞き返してみた。
目の錯覚ならぬ、耳の錯覚かもしれないからだ。

「そうに決まってるでしょ!」

どうやら聞き間違えではなかったようだ。
S527
(No.527完)
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[No.527-1]目の錯覚

No.527-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
かなり前から気付いてはいた。
でも、その理由までは調べていなかった。

「・・・で、あらためて調べてみたんだ」

自転車でよく通る道端に、サビたドラム缶が数本置いてある。

「置いてあるというより、放置されていると思う」

ただ、不法投棄のような悪質なものではない。

「それで、その中身でも調べてみたの?」
「ううん、違うんだ」

自転車でドラム缶の前を通り過ぎる時、妙なものが目に入る。

「やだ・・・ちょっとその手の話題はまだ早いんじゃ・・・」
「大丈夫だよ、そっち系じゃない」

通り過ぎたころに、ドラム缶から煙が出ていることに気付く。

「えっ!それって大事じゃない!」

普通に聞けば、当然の反応だろう。

「言っただろ?かなり前から気付いていたって」

つまり、煙であって煙じゃない。

「・・・煙じゃない?」

謎掛けをしているような展開になった。

(No.527-2へ続く)

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[No.526-2]おめでとう

No.526-2

「その人が女性で、しかも気になる年齢になったから?」
「それはあなたでしょ?」

真面目に答えるんじゃなかった。

「そりゃそうだけど・・・」
「じゃ、言われたのが人じゃなくて・・・」

イヌでもネコでもいいが、ここはひとつ・・・。

「フナッシーだったから!」
「真面目に答えてくれないかな?」

何が真面目で、何が不真面目なのか・・・。

「もぉ・・・わかんないよ」
「ギブアップするから、答え教えて」

考えればいくつか候補は出ると思う。
でも、今の展開も含めて面倒だ。

「契約先や登録先から言われたから」
「・・・?」

意味がよく分からない。

「それって取引先から・・・ってこと?」
「取引先なら、そこそこ嬉しいわよ」
「じゃぁ、何?その契約先とかって・・・」

友人が淡々と話してくれた。

「メール?」

相手は、保険の契約先とか会員登録先だ。
そこから“おめでとう”メールをもらったからだ。
S526
(No.526完)
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[No.526-1]おめでとう

No.526-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「なぞなぞ、言っていい?」

何の脈略もなく、話が切り替わった。

「・・・あ、うん、いいけど」

脈略がないとは言え、何らかの意図はあるのだろう。
友人の表情を見れば分かる。

「上は洪水、下は大火事・・・これな~に?」
「えっ!?」

驚きではなく、とまどいの“えっ”だ。
とまどう理由は、メジャーななぞなぞだったからだ。

「それって・・・」

(一応、ぼけたほうがいいのかな?)

江戸時代じゃあるまいし、今の時代、下が大火事なんてあり得ない。

「お風呂だよね」

なぞなぞを出しておいて、自分で答えを言った。
それに、いきなり正解だ。

「それじゃぁ、なぞなぞにならないじゃん!」
「これからが本題なの!」

つまり、これは前振りらしい。

「誕生日に沢山の人から“おめでとう!”と言われました」
「でも、全然、嬉しくないのはなぜ?」

若干、なぞなぞではないような気もするが・・・。

(No.526-2へ続く)

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ホタル通信 No.202

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.250 寂しげな雪だるま
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

この話は小説にも書いてある通り、旅先の北海道から送られてきた写メがきっかけになっています。

送られた写メには、確かに雪だるまが写っていたのですがそれ自体、寂しげに見えたわけではありません。寂しげに見えたのは、雪だるまと共に写っていた彼の方でした。
小説ではそこまで踏み込んで書かずに、「なぜか雪だるまが寂しく見えた」に置き換えました。
加えて言うなら、なぜ彼が寂しげに見えたのかは、私には分かっていました。小説ではあえてこのあたりには触れていません。

実話をベースにするとは言え、今回のようにあえて実話から遠ざけて書くこともあります。
例え、100%実話を書いたとしても、誰も自分のことが書かれているとは思わないのでしょう。でも、書くことをためらうことは少なくありません。

結果論にはなりますが、この小説が、後々大きく展開して行くことになりますし、すでにそれについては小説にしています。
もちろん、登場人物も性別もこの小説とは全く関係がないように作ってありますので一見してそれだとは分かりません。

最後になりますが、なぜ雪だるまが寂しそうに見えたのか分かりますか?
ラスト近くに書いてある「数分後には、その雪だるまの隣にもう一体雪だるまが並んだ」がその答えであり、なぜそう思ったのかは前半の「決して純白とは言いがたいものだった」が伏線になっています。
T202
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