[No.524-2]元祖の存在
No.524-2
「外出するときは、カバンの中に入れといて」
「あぁ、今もそうしてる」
けど、他人には知られたくない。
秘密とまでは行かないまでも・・・。
「でも、何だか悪い気もする」
それこそ真っ暗なカバンの中に閉じ込めている感じだ。
そう感じること自体“危ない”のかもしれないが・・・。
「せやったら、やっぱりここやん!」
また、胸ポケットに入れた。
「おいおい・・・」
・・・とか言いながらも、本当はそうしたい。
「じゃあ・・・休みの日だけでもええから」
「・・・それなら、まぁ、多分・・・大丈夫」
胸ポケットから顔が出ないようにすればいいだろう。
「よかったやん!せいじゅうろう!」
日曜日、菜緒(なお)と出掛けた。
もちろん、せいじゅうろうを胸ポケットに入れて。
幸いにも顔は出ていない。
ただ、俺のポケットに話しかけるのはやめて欲しいが・・・。
(No.524完)
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