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[No.524-1]元祖の存在

No.524-1   [No.07-1]せいじゅうろう

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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本来、せいじゅうろうと呼んでいいのは、こいつだけだ。
それだけ特別な存在でもある。

「随分、増えたやん!」

菜緒(なお)が言う通り、確かに増えてきた。
そのため、数日前に収納ボックスを買った。

「散らからないように箱へ入れるようにしたから」

透明だから、中身はよく見える。

「せやね!でも、せいじゅうろうだけは入れたらアカンよ」

せいじゅうろうとは、菜緒が名付けたリラックマの名前だ。
でも、全てがそうではない。
あくまでも、こいつだけが“せいじゅうろう”だ。

「それなら、どこに置いておくの?」
「せいじゅうろうは、ここ!」
「ここ!って・・・」

俺のワイシャツのポケットの中に入れた。

「今はここ」

よく意味が分からないが、都度移動させるらしい。

「着替えたいんだけど?」
「せやったら、ここ」

机の上に、チョコンとせいじゅうろうを乗せた。

(No.524-2へ続く)

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