[No.523-1]気の早い桜
No.523-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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信号待ちの交差点で何気なく、窓の外を見た時だった。
(ん?)
ひときわ目を引く“ピンク色”がそこにあった。
「ちょっと、あれ見て・・・」
視線の先を指差した。
「えっ・・・本物?」
あまりにも鮮やか過ぎて、作り物のように見えなくもない。
「・・・だと思う、地面から伸びてるから」
ただ、観賞用に植えられたような気がしない。
放置されている・・・そんな雰囲気が漂う。
「確かに場所が場所だもんね」
その桜はゴミ捨て場所のすぐ脇に植えられていた。
「ちょっと、かわいそうな気もするね」
ゴミの山に囲まれた桜が、不憫に見えた。
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