[No.518-2]静かな日曜日
No.518-2
とにかく日曜日の朝は、驚くほど静かだった。
「それこそ街から誰も居なくなったみたいだったな」
それに車の姿も見えなかった。
「まぁ、その日だけたまたま・・・だったかもしれないけど」
「普段と違う行動ゆえの発見ですね!」
「まぁ、そのきっかけが仕事・・・というのは勘弁だけど」
でも、静かな朝に、ホッコリしたわけではない。
むしろ、妙な緊張感があった。
「緊張感?」
何となく空気が張り詰めているよう思えた。
「そう考えると雑踏って、大切なのかもしれないな」
もしかしたら、毎日空気は張り詰めているのかもしれない。
「それを雑踏がうまく緩和している・・・」
「おもしろい考えですね」
それに気付かずに僕らは生きている。
「・・・かもしれないっていう、説なんかどうかな?」
「ちょっと、強引じゃありませんか?」
「そうかな」
月曜日は朝は、何かとザワザワしている。
どうでもいいような話が飛び交うことも多い。
「みんなそれを知ってるからこその行動だとすれば?」
(No.518完)
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