« ホタル通信 No.197 | トップページ | [No.516-2]雪景色 »

[No.516-1]雪景色

No.516-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「わぁ~!結構、降ったわね」
「・・・驚かないわけ?」

雪国に長らく住んでいた私にとっては、見慣れた風景だ。
ただ、ここでこれだけまとまって降るのは珍しいだろう。

「・・・そっか、雪国育ちだったわね」
「まぁ・・・ね」

面倒なので特に否定はしなかった。
本当は生まれも育ちも、雪とは縁遠い場所だ。
でも、仕事の都合で地元以上に長らく雪国に居た。

「見て見て・・・あれ!」

見渡せる範囲に、いくつも雪だるまが作られていた。

「やっぱり、定番だよね」

雪だるまに、雪合戦・・・。
雪と縁遠い人たちにとっては、憧れでもあるのだろう。

「私たちも作ってみない?」

どうやら、目の前の友人もそのひとりらしい。

「・・・あっ!ごめん、ごめん」
「どうして謝るの?」
「だって、雪国に居たんだから、珍しくもないわよね」

そう言うと、ひとりでそそくさと雪を集めだした。

「すぐできるから、ちょっと待ってて」

(No.516-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.197 | トップページ | [No.516-2]雪景色 »

(021)小説No.501~525」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.516-1]雪景色:

« ホタル通信 No.197 | トップページ | [No.516-2]雪景色 »