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[No.501-2]車いすの少女

No.501-2

「お、おはよう・・・」

明らかにぎこちない、あいさつをした。
脳が考えているうちに、口が勝手に動いてしまった。
仕方なく一旦、自転車を止めた。

「・・・」

彼女がこちらをジッと見る。
ただ、不思議と驚いている様子はない。

「・・・げんき・・・元気出さなきゃね!
「えっ!?」

僕が彼女に言う前に、彼女が僕にそのセリフを言った。

「前を向かなきゃね、わたしもそうするから」

時間にして数秒もなかったように感じる。
その言葉を残して、車いすは再び動き出した。
けど、その言葉に驚きはしない。

「・・・かもしれないな」

ここ1年、仕事が上手くいってない。
だから気持ちを切り替えるために、通勤の時間帯を変えてみた。

「うつむき加減は・・・僕も・・・か」

彼女を見ていたんじゃない。
うつむき加減の目線の先に、たまたま彼女が居ただけだった。

それから2日後に、彼女とすれ違うことになった。
僕の目線の先に彼女はいない。
S501
(No.501完)
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