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[No.501-1]車いすの少女

No.501-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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少女と呼ぶには、失礼なのかもしれない。
だけど、どこか幼さが残っているように見える。

(今日も元気ないな・・・)

毎日ではないが、通勤途中に彼女とすれ違う。
彼女は車いすで僕は自転車だ。

彼女とすれ違うようになったのは、1年くらい前からだ。
僕が通勤の時間帯を変えたためだと思う。

当初から、気になっていた。
うつむき加減で、車いすに乗っている彼女のことが。
それもそのはずだ。
僕を含めて、多くの自転車が彼女とすれ違う。
交通量の多さに遠慮もあるだろう、それに・・・。

(そんなつもりはないんだけど)

車いすと自転車の関係で、何となく上から目線になってしまう。
特に僕の自転車はスポーツタイプだ。
加えて、前傾姿勢が威圧的に見えるのかもしれない。

(考え過ぎかな?)

そう考える自体、気持ち的に“上から目線”なんだろう。
いつにも増して反省する自分がいる。

遠くに彼女の姿が見える。
昨日に続いて今日も彼女とすれ違うことになる。

(今日は元気かな?)

余計な心配をする自分が居る。
でも、その心配が的中しそうだった。

(・・・思い切って声を掛けてみようか?)

けど、一歩間違えば“怪しい人”になってしまう。
へたすれば警察沙汰だ、でも・・・。

(No.501-2へ続く)

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