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[No.500-1]待つ気持ち

No.500-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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(ちょっと、早すぎたかな?)

待ち合わせの時間になるまでには、あと30分もある。

(まっ、暇でもつぶすか・・・)

今の時代、スマホがあれば十分、暇をつぶせる。
つぶせるどころか、逆に足りなくなる場合もあるくらいだ。

「とりあえず、このあたりで」

スマホに熱中し過ぎて、相手に気付かれないと大変だ。
改札から、一目で見える位置を陣取る。
これなら、たとえ下を向いていても気付くはずだ。

(ん?なんだ・・・この変な感覚は・・・)

陣取ったのはいいけど、妙な気分になった。
体が何かを思い出したからだ。

「ごめん、待った?」
「待ったけど、待ち合わせの時間の30分前やで」

いつもこんな調子だった。
待ち合わせの時間よりも、お互い早く到着する。
それに彼女の方が僕よりも更に上を行く。

「それもそうだよな」
「だから、全然気にせんでええよ」

とは言うものの、いつも1時間前には到着しているらしい。
僕が到着するまでに、彼女は何を考えているのだろう?
ふっとそんな疑問を投げ掛けたくなった。

(No.500-2へ続く)

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