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[No.499-1]空き箱

No.499-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「ちょっと気になってること言っていい?」

もしかして・・・。

「ごめん、ごめん!やっぱり匂う?」

今朝、朝食に魚を焼いた。

「匂い?ちがう、ちがう!」

そう言うと、部屋の数箇所を指差した。

「気のせいか、箱、多くない?」
「箱?」
「ほら、お菓子の箱とか石鹸の箱とか」

自分の部屋なのに、改めて辺りを見渡す。

「・・・ほんとだ」
「けど、ちょっと違うけどね」

自分の部屋だけに内情は一番よく知っている。

「空き箱なの、ほとんど」

つまり、中身は入っていない。

「捨てられない主義?」
「そうでもないんだけどなぁ・・・」

どちらかと言えば、まだ使えるものだって、捨てる派だ。

「だよね、それ以外はキチンと片付いているし」
「・・・なんでだろう?」

今まで全く意識をしたことがなかった。

(No.499-2へ続く)

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