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[No.497-1]金木犀

No.497-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「きんもくせい!!」

(あっ!しまった・・・)

思わず口に出てしまった。
初めて即答できたからだ。
いつもはしばらく悩んだあげく、別の花に行き着いてしまう。

「・・・だよね?」

友人も同時に匂いを察知したようだ。

「どうしたの急に!?」
「・・・ほら、もうそんな季節になったのかな?って」

自分にとっての風物詩だ。
通勤経路が変わっていないから、毎年、匂いをかぐことになる。

「言われてみればそうよね」

季節の移り変わりを感じることは他にもある。
けど、これほどまで印象的なものはない。

「嗅覚恐るべし!ってとこかな?」

確かにそうだ。
視覚や触覚を抑えて、私の中では嗅覚が一番ということになる。

「まぁ、暑さ寒さは、徐々に変化するからね」

時に緩やかな変化と言えない場合もある。
でも、知らず知らず寒くなっていることが多い。

(No.497-2へ続く)

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