[No.487-2]夜のひまわり
No.487-2
「夜だって何度も通っているのに気付かなくて」
確かに、一日で急成長することはあるだろう。
でも、それでも気付けるはずなのに・・・。
「まぁ、季節外れってこともあるからじゃないの?」
もう、10月も半ばを過ぎようとしている。
「確かに振り返って見て、ビックリした」
ひまわりは真夏のイメージがあったからだ。
「それはそうと、今まで考えごとでもしてたわけ?」
「・・・そうね、そうかもしれない」
確かに通勤時間を利用して、アレコレ考えることがある。
「危ないよ、自転車なんだから!」
「それは言えてる」
何度も人やモノにぶつかりそうになった。
「ここ数週間は特に・・・」
「・・・人生、いろいろあるからね」
ひまわりどころか、なにもかも見えていなかったのかもしれない。
「それなら・・・ひまわりに気付いたということは・・・」
「うん・・・あなたが考えている通りよ」
ようやく、周りが見えてきた。
そこに、季節外れのひまわりが咲いていた。
(No.487完)
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