[No.486-1]運動会と伝統
No.486-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
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騒がしいはずなのに、なぜかそう感じない。
体がそれを懐かしんでいるせいだろうか?
「・・・運動会だよね、これって?」
歩くたびに、それが大きく聞こえてくる。
「・・・そう・・・みたいね、確かあったよね?」
「うん、あの角を曲がったら」
後、5分ほど歩けば、小学校が見えてくる。
「この曲・・・間違いないわね!」
運動会には定番のあの曲だ。
それに時より曲に混じってアナウンスが聞こえてくる。
「そんなシーズンだもんね」
「それに今日、日曜日だし」
そうこう話している内に、小学校の校庭が見えてきた。
「わぁ~、懐かしいね」
「ほんと、今でも玉ころがしやってるんだぁ!」
「違うわよ、私が言いたいのはアレよ、アレ!」
レジャーシートが至るところに広げられている。
もちろん、シートだけではなく、ちゃんと主が座っている。
「競技中に、チラチラ見たりしなかった?」
「した!した!」
見に来てくれて嬉しいはずなのに、どこかよそよそしくもあった。
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