[No.485-2]空の彼方へ
No.485-2
「・・・ちょっとぉ?ねぇ、聞いてる?」
(・・・ん?)
「ねぇったら!」
気付けば友人が怪訝そうな顔をしている。
「ご、ごめん!・・・なに?」
「なにじゃないわよ!」
どうやら、友人以上に見上げることに夢中になっていたようだ。
「ごめ~ん!なんだかいい気分になっちゃって」
秋を感じさせるポカポカ陽気が一層そうさせた。
それにある意味、無心になれる瞬間でもあった。
「ありがとうね、誘ってくれて」
「でも、札幌からわざわざ来るとは思ってもみなかったけど?」
「どうせ、今のわたしは“暇人”ですからね!」
理由を知っていたからこそ誘った。
「でも、来年は誘わないからね」
「はいはい・・・わたしも誘われないようにするよ」
憎まれ口もお互い手馴れたものだった。
「来年は誘わないから、勝手に来れば?」
「・・・そうね、そうするわ」
「今度は上から夜景でも見たら?もちろん二人でね」
(No.485完)
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