[No.485-1]空の彼方へ
No.485-1
登場人物女性=牽引役
女性=相手
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「ちょ、ちょっと!恥ずかしいじゃない・・・」
友人が思いっきり、それを見上げ始めた。
「なに言ってんのよ!そのつもりで連れてきたくせに」
「それはそうなんだけど・・・」
友人に限らず、周囲にはそんな人がチラホラいる。
「ほら・・・少しは遠慮しながら・・・」
明らかに“おのぼりさん”に見える。
この私までが・・・。
「意外と体裁を気にするのね?」
友人は大阪人以上に大阪らしい性格だ。
「ん?なんか言った?」
「えっ!?な、なんでもないよ」
口にしないまでも、雰囲気が伝わってしまったようだ。
「それにしても高いわね~」
秋晴れの空に、今日は一段と高く感じる。
友人の無邪気な行動に、私もあらためてそれを見上げた。
もう、何度も見上げてはいるけれど。
「・・・なんかいいね」
歩道橋の上で、ぼんやりそれを見上げている。
不思議と雑踏が耳に入ってこない。
まるで時間が止まったかのようだった。
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