[No.484-2]みがわり
No.484-2
「最近、仕事がつらくて・・・」
少なくとも、忙しいからつらいのではない。
「そうなんや」
「せやかて、それがなんでせいじゅうろうと関係するん?」
「せいじゅうろうが・・・ね」
ここからは他人に聞かせられない内容だ。
間違いなく誤解されるからだ。
「せいじゅうろうを見てたら、声が聞こえたような気がして・・・」
それは数日前にせいじゅうろうを手にした時だった。
「あくまでも気がしただけ」
「それで、せいじゅうろうはなんてゆうてはったん?」
「一緒に出掛けよう!って」
時を同じくして、菜緒(なお)から、連絡が入った。
買い物に付き合って欲しいから、一緒に出掛けようと。
「偶然なんだけど、びっくりした」
そこに神秘的な力が働いたとは思っていない。
けど、それがせいじゅうろうを連れ出すきっかけにはなった。
「うちとせいじゅうろうは一心同体やもんな」
菜緒からもらったせいじゅうろう。
それは今でも彼女そのものだった。
| 固定リンク | 0
「(S01)せいじゅうろう」カテゴリの記事
- [No.959-2]奇妙な踊り(2020.01.19)
- [No.959-1]奇妙な踊り(2020.01.18)
- [No.952-2]光になりたい(2019.12.10)
- [No.952-1]光になりたい(2019.12.08)
- [No.926-2]黄色のラケット(2019.08.08)
「(020)小説No.476~500」カテゴリの記事
- [No.500-2]待つ気持ち(2013.12.08)
- [No.500-1]待つ気持ち(2013.12.06)
- [No.499-2]空き箱(2013.12.04)
- [No.499-1]空き箱(2013.12.03)
- [No.498-2]つなぐ(2013.12.01)
コメント