[No.480-1]望遠鏡
No.480-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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夜、奈央(なお)に呼び出された。
特に用事もなかったから、それに応えることにした。
「なにかあった?」
家に着くなり、一応、尋ねた。
呼び出した理由をまだ聞いていなかったからだ。
「今夜は星が綺麗やろ?」
「・・・そ、そっかぁ?」
僕にはいつもとの違いが分からない。
そもそも意識的に夜空を見上げたことがないからだ。
「せ・や・か・ら、これ!」
僕になにかを差し出した。
「これ!って・・・望遠鏡?」
見るからにおもちゃ感満載だが、ひと目でそれと分かった。
「せやで」
「買ったの?」
「うん、雑誌の付録なんやけど」
「・・・だよな」
最近流行の付録メインの雑誌とみてとれる。
「せやけど、月も見れるんやで」
「月ぐらいなら、肉眼でも見えるだろ?」
「ほんなら、見てみぃ」
軽く使い方の指南を受けてから、望遠鏡を月に向けた。
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