[No.478-2]背を向けるわけ
No.478-2
「だよな・・・じゃ、あした!」
彼も私も背中を見送らない。
向き合ったまま、そのうち彼は人ごみに消えていった。![]()
「そろそろ時間だろ?」
「うん・・・」
いつもなら、なごり惜しそうに向き合ったままで別れていた。
けど、今日は違う。
少なくともどちらかは背中を向ける。
「・・・もう、行けよ」
「うん・・・じゃあ、行くね」
言葉にした途端、何とも言えない気持ちになった。
思わず、彼に背中を向けた。
「行くね」
もう一度、声を掛けて私は改札に向かった。
「元気でな!」
振り向かずとも、彼が背中を見送っているのが分かる。
振り向きたいけど、振り向けない。
今の私の顔を見せたくないからだ。
「うふふ、『これでせいせいしたわ』って顔を・・・ね」
(No.478完)
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