« [No.478-1]背を向けるわけ | トップページ | [No.479-1]次の返事は »

[No.478-2]背を向けるわけ

No.478-2

「だよな・・・じゃ、あした!」

彼も私も背中を見送らない。
向き合ったまま、そのうち彼は人ごみに消えていった。

「そろそろ時間だろ?」
「うん・・・」

いつもなら、なごり惜しそうに向き合ったままで別れていた。
けど、今日は違う。
少なくともどちらかは背中を向ける。

「・・・もう、行けよ」
「うん・・・じゃあ、行くね」

言葉にした途端、何とも言えない気持ちになった。
思わず、彼に背中を向けた。

「行くね」

もう一度、声を掛けて私は改札に向かった。

「元気でな!」

振り向かずとも、彼が背中を見送っているのが分かる。
振り向きたいけど、振り向けない。
今の私の顔を見せたくないからだ。

「うふふ、『これでせいせいしたわ』って顔を・・・ね」
S478
(No.478完)
読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ 短編小説へ web拍手 by FC2

| |

« [No.478-1]背を向けるわけ | トップページ | [No.479-1]次の返事は »

(020)小説No.476~500」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.478-2]背を向けるわけ:

« [No.478-1]背を向けるわけ | トップページ | [No.479-1]次の返事は »