ホタル通信 No.178
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.132 いつもの歯ブラシ
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性
実話度はそこそこ高めですが、ちょっと飾りすぎた感が否めない作品です。
歯ブラシを取り替え忘れるくだりは事実です。加えて、それをゴミ箱に投げ込んだ時のへんな気持ちも事実です。
前述した「飾りすぎた感」はたったこれだけの事実を、恋愛に結び付けたことを指しています
でも、それぞれを強引に結び付けたのではなく、自然な流れとして結び付いたものです。
特に愛着もなく、極端に言えば単なるゴミに、妙に執着と言うか、それこそへんな気持ちを抱くことがあります。
急に捨てるのが惜しくなったり、捨てられなくなってしまったり。
そんな時って物を扱っているのではなく、そこに宿る何かを感じとっているのかもしれません。
さて、後半に歯ブラシを捨てた途端にケータイの着信が鳴ったシーンがありますが、これは単なる偶然として描いています。
確かに出来過ぎ感は否めませんが、これくらいならギリセーフと言ったところでしょうか・・・
ラストシーンから考えると純那(じゅんな)は、彼とよりを戻そうと考えたように見えますし、実際、そんな期待感を持たせた終わり方にしています。
・・・ですが、少しイジワルな想像を働かせて見てください
古い歯ブラシを元の場所に戻すと、どうなりますか?その隣には新しい歯ブラシが置いてあります。
「案外、悪くない」のは、ふたつならんだ歯ブラシのことであって二股を意味しているのかもしれませんネ。
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