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[No.469-1]雨女の真実

No.469-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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手のひらを空に向ける。
ほほに雨が当たった気がしたからだ。

「・・・」

この無言の中には、様々な想いが詰まっている。

(それにしても・・・)

どうして、こうも雨が降るのか・・・。
家を出てから、数分もしない内に。

「だから、雨降ってきたんだね」

褒められているのか、呆れられているのか・・・。
考えなくとも前者ではないのは明らかだ。

「ごめん・・・」
「仕方ないでしょ?雨女なんだから」

会社へ向かうために家を出る時間は、同僚とほぼ同じだ。
だから、時々、こんな風になる。

「それに、こんな空模様だから傘は持ってるのよ?」
「でも、降らないなら、それにこしたことはない」

服も濡れるし、泥もはねる。
俄然、雨が降らない方が良い。

「一応言っておくけど・・・冗談だからね、今までの話は」
「雨女なんて、あるわけないでしょ?」
「そうだとは思ってるけど・・・」

でも、狙ったように雨が降ってくる。
私が家を出て数分もすれば・・・今日と同じように。

(No.469-2へ続く)

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