[No.468-2]雨宿り
No.468-2
「だから・・・今の私たちみたいに」
「どうして、隣に誰か居たと思うの?」
特に“誰と”居たとか居ないとか・・・そんな話はしていない。
「居たんでしょ?男性・・・じゃなくて、男子が」
「・・・それはそうなんだけど」
どうして分かったんだろう。
いくら女の感が鋭いと言ってもほどがある。
それとも、単に当てずっぽうなんだろうか?
カマをかける意味で。
「・・・どうして分かったんだろう・・・って顔ね」
(もしかして、顔に出てた!?)
「理由は簡単よ、一種の照れ隠しの行動でしょ、それ」
昔、今日と同じようなシチュエーションがあった。
隣には、当時好意を寄せていた男子が居た。
もちろん、片思いだった。
「そうね・・・話す話題もなくて、それで誤魔化してた」
「やっぱりね」
「でも、ほんとよく分かったわね!?」
「もしかして・・・あなたも?」
友人も同じようなことをしていた可能性が高い。
「わたし?ううん・・・わたしの場合は“男子が”だったけど」
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