[No.468-1]雨宿り
No.468-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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「なにしてるの?」
「あっ・・・これ?」
徐々に雨の降り方が激しさを増してきた。
どうにも傘だけでは太刀打ちできない状況だ。
仕方なく、近くのコンビニの軒先に逃げ込んだ。
「・・・見ての通りよ」
軒先から、雨が滝のように落ちてくる。
それを傘で受けていた。
「小さいころ、やらなかった?」
傘に伝わる振動と音がなんとも言えない。
この“ボタボタ感”が幼心をくすぐった。
「特に今日みたいな大雨の日は・・・」
「絶好のチャンス?」
「そういうこと!」
ふいの軒先が、それを思い出させた。
「たしかに、こうして軒先に入るなんて」
「随分、久しぶりな気がするね」
ましてや傘を持っている。
こんな大雨ではない限り、軒先に逃げ込むこともなかっただろう。
「ねぇ、そのときは誰が隣にいたわけ?」
「ん?誰って・・・」
質問の意味を、すぐには飲み込めずにいた。
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