[No.467-1]気を付けて!
No.467-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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「わっ!」
一匹の猫が行く手を遮る。
遮っているとは言え、別に私を待ち構えていたわけではない。
「ちょ、ちょっと・・・いつも言ってることだけど」
「気を付けてよね!」
もちろん、目の前の猫と私の会話だ。
他に誰も居ない。
逆に居れば私が“気を付ける”対象にならざるを得ないシーンだ。
ちょっと、危ない人だと・・・。
「・・・まったく、もう・・・」
自転車と衝突しそうになったのに驚いている様子はまるでない。
それどころか、道路に寝そべり毛繕いを始める始末だ。
「ほんと、困ったやつらよ」
「・・・とか言っちゃっても何だか嬉しそうよ?」
「そ、そうかな・・・」
猫は嫌いじゃない。
だからと言って好きとは言えない。
「でも、ほんとうに危なっかしいんだから!」
これまで何度も、自転車と衝突しそうになっている。
その度に、彼らに説教をした。
「説教!?」
「もちろん、聞いちゃくれないけどね」
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