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[No.464-2]ぶたカバン

No.464-2

「私たちのカバンは、ペシャンコなんだよね」

それもそのはずだ。
少なくとも教科書は入っていないからだ。

「それにペシャンコをキ-プするために・・・」

少し大きめのクリップでカバンが広がらないように挟む。

「側面の、じゃばら部分ってこと?」
「そう、そう!」

不良とは言えなかったけど、ちょっと悪ぶっていた私。

「それに当時はペシャンコがおしゃれだとも思ってた」
「だから、ぶたカバンは絶対無理だった」
「まぁ、若い時はへんなところに拘りをもつからね」

自分なりの青春だったのかもしれない。
それに反抗心もあった。
ただ、何に対してかは・・・自分でもよく分からなかった。

「だから青春なんでしょ?」
「そうかもね」
「かばんはペシャンコだけど・・・」
「それなりに何か詰まってたみたいね」

そうかもしれない・・・入りきらないくらいに。
S464
(No.464完)
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